3/31  水曜日

晴時々曇  22℃/14℃

~本日のスケジュール~

出荷(小売)、キュウリ定植準備(マルチ敷)、畑管理作業、ネギ収穫調整、キャベツ収穫調整、サツマイモ視察(茨城県)、事務(新年度MTG準備)

暖かな春、準備の春

 週に1.2回は結構な量の雨が降っていますが、最近は穏やかな晴天が続いています。この時期は急に暖かくなってくることとハウスでの作業が増え始めることもあり、農業従事者は熱中症の危機にさらされます。昼間の外気が20度を越え日差しがある場合、ガラスハウスやビニールハウス内は30℃を優に超えます。身体が馴染んでいない今の時期は水分補給の声掛けをしあうことでお互いに気を配ることが必須の時期と言えます。

 

 畑の土づくりと並行し、定植作業が続いています。今週はすでにキャベツ、ネギの定植をしており、週末にはキュウリとネギの定植を控えています。キュウリはこの数年、4・5・6・7月それぞれ植えて長期にわたって生産してみたり、品種を変えながら効率を探ってみたりとチャレンジを繰り返してきましたが、今年からはこの時期のガラスハウスでの生産で落ち着いていくものと思われます。4月頭に定植し、5月中旬から採れ始め、6~7月が収穫のピークになっていく見込みです。

 キュウリの定植はマルチを敷いて行います。キュウリの根は日陰に伸びることから、定植後しっかりと根が張るようにマルチを敷きます。キュウリの定植後には雑草対策と合わせて通路に防草シートも設置します。雑草対策をしつつ、強い根を育てることが狙いです。

 

 あまり認識されていないことなのですが、「農家である=どんな農産物でも作れる」というわけではなく、もっと言えば、ネギを作ることが出来てもキュウリやコマツナを作れるとは限りません。

 しかし、東京の農家は、近隣の売場で同じ地域の農家と野菜が被って売れ残ってしまうことや、年間を通して販売をし続けるために多品目(多種類)の野菜を生産することが一般的です。それぞれの野菜に合わせた特徴を覚え、実際に畑で品質の良い野菜を作るまでには長い年月を要します。

 当園でも代表近藤の就農以来16年の年月の中で、多い時は年間で20品目ほど生産していた時期もありました。品目を絞って全体の面積のうち多くの部分で主力品目を生産することで生産技術は高まり、効率化を進めることも可能となります。技術力の向上に伴う高品質化も、作業の効率化についても、品目を絞って専門技術を高めていくことが必要であると感じています。


3/30  火曜日

曇時々晴  23℃/14℃

~本日のスケジュール~

出荷(近隣小売、地元加工食品)、コマツナ播種・収穫調整・管理作業、キャベツ収穫調整、キュウリ定植準備、畑管理作業、年度計画作成等

食育の取組が掲載されました

 3/20に行われたHIS社との食育の取組が、本日3/30の日本農業新聞首都圏版に掲載されました。

 「新しい食育教材」を提案していきたいというコンセプトで開始した今回の取組ですが、3/20当日はネギの種まきから収穫までの工程を種まきの実演を兼ねてお伝えし、地元で採れた野菜の鮮度の高さを観て頂くこと、現役農水省食育担当者である鶴岡様との対談も合わせて地産地消の素晴らしさについてお伝えいたしました。

 

 今後は5月以降でサツマイモの成育を通してオンライン・オフラインを掛け合わせた農業体験を実施する予定で、4月以降都内小中学校に募集をかける予定となっています。

 本日の記事にもある通り、食育によって東京の野菜や農業を身近に感じ、東京農業の応援団が増えることで、都民の皆様と共に都産都消を進めていきたいと考えています。


3/29  月曜日

晴  23℃/14℃

~本日のスケジュール~

出荷(近隣小売、地元加工食品)、ネギ収穫調整、キャベツ収穫調整、カブ収穫調整、新規取引先打ち合わせ、畑見回り、週計画作成

端境期

 この時期は農閑期、端境期と言われる、作物・畑の切り替わりの時期です。

 冬野菜の出荷が終わり春夏野菜の準備に切り替わる時期ですが、春夏野菜は寒さに強くないため3月末から4・5月での定植がメインとなるため、一般的に出荷物が減る時期です。当園でも、年間の主戦力であるネギを4月中旬ごろには売り切る予定であるため、4月中旬から5月中旬までは周年で栽培しているコマツナのみの出荷となります。

 

 ではこの農閑期、出荷するものがないから暇なのか、というと決してそんなこともありません。畑の切り替わりの時期でもあるため、ネギの収穫を終えた畑を耕し土を作り直して次の定植に備える必要があります。6月収穫予定のキャベツは今畑に定植しなければ間に合いませんし、ネギは収穫までに9カ月以上かかるため10月に収穫しようと思ったら今定植しなければなりません。

 そして、良い野菜を作るためには良い土を作る必要があり、この時期の土壌整備が年間の収穫量&売り上げを左右すると言っても過言ではありません。

 農業は日々淡々と収穫し雑草を採り続ける胆力と、長期的な視野で「どこで何をどうやって育てるか」という生産に向き合う計算力、計画力が必要となります。


3/24  水曜日

快晴  20℃/4℃

~本日のスケジュール~

出荷(小売、給食)、ネギ収穫調整、カブ収穫調整、キャベツ収穫調整、畑管理作業、ネギ定植準備、事務(新年度目標作成、4月号チラシ作成)

オンライン食育ツアー

 3月20日土曜日の15時から、HIS社様、農林水産省鶴岡様にご協力いただき「旅するやさい 新しい食育教材~オンライン×オフライン 東京から新時代の食育を~」を開催いたしました。

 

 準備期間約2か月、初めての取組ということもあり当日の実施に向け数多くの準備、困難がありました。台本や流れを作る際に根気強く提案をしてくださり、当日まで資料作りや発信でご協力いただいた金澤様を始めHIS社のチーム旅するやさいの皆様、出演にご快諾頂き沢山のアイディアを下さった農水省の鶴岡様、そして当日ご覧いただきました皆様、多大なるご協力を賜り誠にありがとうございました。皆様のご指導、ご協力のおかげさまで当初想定していたものの何倍も良い形で進めることができ、心から感謝いたしております。

 

 当日の模様につきましては今後準備が整い次第動画でも掲載していきたいと考えております。

 

 当日の放送内でもお話させていただきましたが、当園では2021年度よりHIS社旅するやさいチームと手を取り合い、東京都内の学校様、団体様を対象にオンライン×オフラインで食育体験ツアーを実施していきたいと考えています。

 ○「これまでにない新しい食育」を東京都内で実施することで農業や食についての認識を広めていくこと

 ○東京農業への認識を都民に持っていただき、都民の皆様と一緒に東京に野菜の生産地をつくっていくこと

 ○コロナ禍で変わってしまった観光業界を、農業というコンテンツによって盛り上げること

 ○瑞穂町、西多摩の産業を都内の多くの方に知ってもらうことによる地域活性

 ゆくゆくはこれらの多くのことを達成することができる取組にしていきたいと考えています。

 

 人間の歴史上最古の仕事であり、歴史と共に営まれてきた農業は、今後も人の歴史が続く限り続いていくものです。新型コロナウイルスの登場によって一人ひとりの生活が見直される中で、農業、食を見直すということを通して多くの産業が繋がっていく可能性があると考えています。

 

 どうか一人でも多くの都民の皆様に届き、農業界だけでなく多くの人を支えられるような取り組みになっていくことを祈っています。


2021年3月3日 水曜日

快晴  12℃/3℃

~本日のスケジュール~

出荷(小売、給食)、ネギ調整、コマツナ管理作業、キャベツ収穫調整、事務(HP編集、年間作付け作成他)、外部打ち合わせ

新しい食育

 昨日の暖かさと打って変わって、今日は風が冷たい1日です。強風の日は土や肥料が風で舞い上がってしまうために耕耘作業や肥料撒き等は進められません。トラクターが土に入ることが出来ないため当然雨の日も向いておらず、耕耘や肥料撒きは穏やかな天候の日に進めます。

 このように、天候一つとっても農作業には向き不向きがあり、それぞれの時期で優先度の高い作業を、天候のちょうど良い日に進める必要があります。春は主に土づくりの時期ですが、比較的風の弱い午前中に進めることが多いです。

 

 日ごろ口にしている野菜、食べ物ですが、店頭に並んでいたり、飲食店で目の前に出てくる前のことってご存知ですか??

 野菜を1つ作り消費者まで届ける場合にも、左写真下部のような登場人物が必要となります。私たち生産者の前にも種や苗を作る種苗業者が居り、私たちが野菜にして仲卸業者や小売店、加工業者等に渡しています。

 このように普段消費者の立場から見ているとわからない数多くのことを、生産者だから持っている視点を活かしてお伝えしていきたいと考えています。


2021年3月2日  火曜日

晴のち曇のち雨 20℃/13℃

~本日のスケジュール~

出荷(小売、給食)、ネギ収穫調整、畑管理作業、キャベツ播種、事務(広報チラシ作成、イベント打ち合わせ、新年度計画作り等)

農業に触れる機会創出

 今日は4月下旬並みの暖かさとのことで、今まで通り着込んで作業をしていたら朝から汗ばんでいました。気温差が激しく、特に晴れた時間帯のハウスの中では30℃を越えてくるため、農家にとってはこの時期から熱中症対策が必要になります。

 

 来る3/21㈰に、瑞穂町郷土資料館にて当園代表近藤剛が公開座談会に登壇いたします。町の認定の業者と、瑞穂町のこれまでとこれからの農業について話し合う予定です。

 

 

 新年度に向け、当園のテーマは「農業を知ってもらうこと」です。食育体験事業も、給食事業者様向けのチラシ作りも、もっと身近なところでいえば小売店地場産コーナーでの販売にしても、農業を知ってもらうためのきっかけづくりを徹底することが2021年度のテーマだと考えています。

 農水省の発表でも、世界の各機関の発表でも明らかにされていますが、世界では今後10年ほどの間に食糧難の時代に入っていくと言われています。人口が減少している日本では身近に感じづらいですが、中国やインド、東南アジアや南アメリカを中心に爆発的な人口増加が進んでおり、世界中の人口が満たされるためには穀物を始めとした食糧が不足していくそうです。

 そのため、日本でも今後は重点品目の輸出を強化し、国をあげて日本農業の発展を支えていく、そのような時代に入ってきているのが今の日本農業がおかれた状況です。

 

 とはいえ、日々の生活の中で食べ物について、農業について考える機会は多くありません。特に身近に畑の少ない都心部では、消費者の立場から、店頭や外食店で出てきた野菜が、いつ・どこで・誰が作っているのか、いつ・誰がお店まで運んできたのか、ということのイメージが持ちづらいのは当然かもしれません。

 しかし、お店に並んでいる野菜に関わっているのは生産者と流通、お店の3者だけではありません。皆さまが野菜を食べ栄養を摂るまでには、多くの方が関わっています。

 

 上記のように生産者や、畑が身近にあった昔の日本人にとっては当り前のことを、より一般の多くの方に知ってもらうこと。そして、それぞれが地元の生産物を大切に思い、1回の食事を大切に感じてもらうことを目標に、発信に取り組むことで東京農業、日本の農業の発展に貢献していきたいと考えています。